早く起きた朝は・・・(ハードボイルド小説風)
『光り輝く大きな梟(ふくろう)が俺を見つめ、そして大空へ飛び立つ---』
---そんな意味ありげな夢から目が覚めた。
「今日は良い事が起きそうだ。」
時計の針はまだ5:30を指してるが、このまま起きてしまおう。カーテンからは光が差している。今日は良い天気になるらしい。湿った身体も分かっているようだ。
シャワーで汗を流し、グラスにコーヒーを注ぐ。氷がカラン、と涼しい音をたてた。そして煙草を取り出し紫煙を燻(くゆ)らせた。薄暗い部屋に流れる静寂の時-----。
『---ホテルのスウィートならサマにもなるのにな。』
そんな柄じゃ無いと、フッと微笑しながら俺はカーテンを開けた。
朝日が眩しい。窓の外は陽に照らされた緑が輝いている・・・ん??緑??
---何か庭がエライ事なってマスけど!!!
最近天気悪かったのに、天気良くなったから急セーチョー!?
ローズマリー埋もれて消えかかってるし!ローズマリー、ドコ!?

あったあった。チョー埋まってるじゃんよ~!モ~、ナンダヨ~これは~!抜いても抜いてもドクダミ生えてくるしよ~。ナンダこの下の・・・青ジソ!?

って、こっち紫蘇だし!!植えてねぇよ!!

----怒りに震え、鎌を手にした俺は庭へ飛び出した。うっそうとした緑と無数の蚊が俺を出迎えた。
蚊は容赦なく俺を襲う。
かゆみに震える手! 滑る鎌!! 舞い上がる紫蘇~!!
・・・再びシャワーを浴びる羽目になった俺は、朝を返せ、と半ベソになりながら蚊に刺された所を指でバッテンしました・・・とさ(涙)